#エネルギー収支
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朝食を抜くと太るのか
ランダム化試験を集めた解析では、朝食を抜いた群のほうが体重が0.54kg減ったという報告と、抜いても食べても差は見られなかったという報告の両方があります。太る方向の結果は出ていません。観察研究で関連が出るのは、朝食を抜く人の生活が他も違うためと考えられます。
ケトン体はオカルトなのか。言葉を分けると答えが出ます
ケトン体は実在する代謝産物で、糖質を強く減らせば実際に増えます。オカルトなのはその先の接続です。カロリーとたんぱく質を揃えてケトン食に切り替えた研究では、ケトン体が出ている状態でも体脂肪の減り方は加速しませんでした。
ケトジェニックは、他の方法より脂肪が落ちるのか
代謝病棟でカロリーとたんぱく質を揃えてケトン食に切り替えた研究では、消費エネルギーの増加は一時的で小さく、脂肪の減り方は加速しませんでした。609人を1年追った試験でも低糖質と低脂質で差は出ていません。落ちる人がいるのは、食べる量が減るためです。
運動だけで痩せるのが難しいのはなぜか
狩猟採集民の1日の消費エネルギーを測った研究では、体格を揃えると欧米の人と差がありませんでした。活動量ははるかに多いのにです。運動を増やしても総消費がそのまま増えるとは限らず、体は別のところで節約します。運動の価値は別にあります。
1日1食にすると太るのか。回数を変えた試験を見ます
食事の回数を変えたランダム化試験を集めたメタ分析では、回数の多い少ないで体組成に差は出ていません。まとめ食いが太るとすれば、経路は代謝ではなく「1食に入る量が読めなくなる」ほうです。1食で1,500kcalを超えるのは難しくありません。
ファスティングに、毎日の食事制限を超える効果はあるのか
隔日断食と毎日のカロリー制限を1年比べた試験では、体重の減り方に差が出ませんでした。続けやすさでも差はついていません。数日の断食で落ちる分の多くはグリコーゲンと水で、戻せば戻ります。断食そのものに上乗せは確認されていません。
信じて損をしたこと5つ
90kgから減量を始めて、途中で捨てた思い込みが5つあります。運動は20分から、チートデイで代謝がリセットされる、停滞期は体の防御機能、酒は厳禁、脂質は摂らない。どれも数字を当てたら成立しませんでした。捨てたぶんだけ、気にすることが減っています。
糖質を摂ると必ず太るのか。揃えて比べた実験があります
カロリーを揃えて病棟で測った実験では、糖質を減らした期間より脂質を減らした期間のほうが体脂肪は多く減りました。609人を1年追った試験では、低脂質と低糖質で体重の差は出ていません。糖質制限で最初に落ちる分の正体は、グリコーゲンと水です。
「食べるのを我慢したほうがいい」は、嘘でも本当でもある
赤字がなければ減らない、という意味では本当です。ただし我慢の量と減り方は比例しません。人は食事の重さで満足するので、同じ重さでカロリーの低いものに替えると、研究では100kcal分下げて摂取が77kcal減っていました。我慢を増やすより、中身を替えるほうが効きます。
食事は、制限するものではなく管理するもの
禁止リストは守れているあいだしか効きません。1日ではなく1週間で枠を持つと、外食した日も計算で吸収できます。1日500kcalの赤字は週3,500kcal。金曜に1,000kcal超過しても、残り6日で割れば1日あたり167kcalです。良い食品と悪い食品で判断するのをやめる話です。
「寝不足だと太る」は本当か。動くのは代謝ではなく食べる量
睡眠を削った実験を集めたメタ分析では、消費エネルギーも安静時代謝も変わらず、食べる量だけが1日385kcal増えていました。逆に眠りを1.2時間延ばした試験では摂取が270kcal減っています。太るかどうかを決めるのは、寝不足そのものではなく翌日の食事のほうです。
16時間断食そのものに痩せる効果はあるのか
摂取カロリーを揃えて比べた試験では、16時間の枠を作っても体重の減り方は変わりませんでした。自由に食べてよい条件で測ると、枠を作った人は1日341kcal少なく食べていました。効いているのは時間ではなく、食べる機会が減ることのようです。
食べていいおやつの決め方。禁止リストではなく、赤字と見比べます
おやつに「OK・NG」はありません。あるのは、その日の赤字のうち何割を使うかだけです。よくある間食を200kcal前後の赤字と見比べて並べました。同じ200kcalでも、持ちのいいものと悪いものはあります。
血糖値が上がると太る、は本当か。研究者の間でまだ決着していません
インスリンが脂肪の蓄積を助けるのは本当です。ただ「だから血糖値を上げなければ痩せる」までは繋がりません。摂取カロリーを揃えた入院試験では、予測と逆の結果が出ています。決着していない部分も含めて書きます。
チートデイで代謝はリセットされない。でも、食べていい日はある
1日の過食で増える消費エネルギーは7%程度、2,400kcalの人で約170kcalです。+2,000kcalの食事は帳消しにできません。ただし「代謝のために食べなければ」という義務も存在しません。外食を罪悪感ではなく計算で扱う方法。
エネルギー収支だけ分かっていれば、新しいデマに揺れなくて済む
毎年新しいダイエット法が出てきますが、全部を検証する必要はありません。体重を動かしているのは、入ってくるエネルギーと出ていくエネルギーの差だけです。この1つを押さえると、次に来る流行を自分で判定できるようになります。
「夜9時以降は食べてはいけない」の9時に、根拠はありません
同じ食事を4時間遅らせると、起きているあいだの消費エネルギーが59kcal減ります。実在しますが、おにぎり半分ぶんです。問題は時計の針ではなく、遅い食事が空腹感を倍にすること。時刻を守るより効く手があります。
停滞期は「体の防御機能」ではない
体重が止まったとき、代謝の低下が説明できるのは1日あたり65〜230kcal程度です。残りの説明は水分・記録のズレ・測り方にあります。止まった4週間の内訳を数字で分解します。