1日1食にすると太るのか。回数を変えた試験を見ます

結論

カロリーを揃えると、食事の回数を変えても体組成に差は出ない。1日1食で太るとすれば、経路は代謝ではなく1食に入る量が読めなくなること。逆に減る人は、単に合計が減っている。

「1日1食のほうが痩せる」と「まとめ食いは太る」。

正反対の主張が同じくらい流通しています。どちらも、回数そのものに作用があるという前提で語られています。

カロリーを揃えると、回数では差が出ない

食事の回数を変えたランダム化試験を集めたメタ分析があります。

結果は、体重の変化に有意な差なし。高頻度と低頻度の差は−0.62kgで、信頼区間は−2.76〜1.52にまたがっていました。

ただし条件を添えておきます。著者らはこの結果の確実性を「非常に低い」と評価しています。 16試験のうち15試験がバイアスリスク高とされました。「差がない」と強く言い切れる材料ではありません。

別のメタ分析では、回数が多いほうが有利という結果が一度は出ています。ただし感度分析をすると1つの研究に引っ張られていたことが分かり、確かな効果とはされていません。

隔日断食と毎日の制限を1年比べた試験でも、差は出ませんでした。食べる日と食べない日を作っても、毎日均等に削っても、同じところに着きます。

「まとめ食いは太る」の中身を分ける

では「まとめ食いは太る」は嘘なのか。ここは分けて考える必要があります。

主張 成り立つか
同じカロリーでも、1食にすると太りやすい 確認されていない
1食にすると、結果的に食べる量が増えやすい ありうる

前者は代謝の話で、後者は行動の話です。研究が否定しているのは前者だけです。

1食で入る量は、思っているより大きい

1日2,000kcalを1食で摂るとします。たとえばこうなります。

品目 目安
大盛りの丼もの 約 900 kcal
揚げ物の副菜 約 400 kcal
味噌汁・小鉢 約 150 kcal
デザート 約 400 kcal
合計 約 1,850 kcal

1食にまとめると、これで足りない感じがします。空腹の時間が長かったぶん、目の前の量が少なく見えます。

そして食べている最中は、満腹感が追いつく前に量が決まります。1食あたりの量が読めなくなるのが、1日1食のいちばんの難所です。

逆に、1日1食で減っている人もいる

これも本当です。理由は単純で、1食では1日分を入れきれないからです。

普段2,200kcal食べていた人が1食にまとめると、1,500〜1,800kcalあたりで止まることが多い。差の400〜700kcalが赤字になります。

つまり効いているのは回数ではなく、入らなかった分です。16時間の枠を作ったときと同じ構造になっています。

代わりに、回数ではなく1食の上限を決める

回数に意味がないなら、決めるべきは別のところです。

決めること 効き方
1日何食にするか 差が確認されていない
1食にいくら使うか そのまま合計に効く

たとえば1日2,000kcalの枠なら、1食700kcalを3回でも、1,000kcalを2回でも構いません。合計が同じなら、結果も同じです。

生活に合うほうを選んでください。朝に食欲がない人は2食のほうが楽ですし、間食が止まらない人は3食に分けたほうが収まります。

では、どうするか

  1. 回数は生活に合わせて決める。体組成の差は出ていないので、好きな形で大丈夫です
  2. 決めるのは回数ではなく、1食あたりの上限。合計に直接効きます
  3. 1日1食にするなら、その1食の中身を買う前に決めておく。空腹のまま選ぶと量が膨らみます
  4. 1日1食で減っているなら、そのまま続けてください。効いているのは合計のほうです
  5. 1週間だけ、食べたものを記録する。回数より先に、合計が見えるようになります

気をつけること

糖尿病の薬やインスリンを使っている方は、食事の間隔を大きく変える前に主治医に相談してください。食事を1回に集約すると、薬の効き方と合わなくなることがあります。

まとめ

  • 食事回数を変えたメタ分析で、体組成の変化にはっきりした差は出ていない
  • 「同じカロリーでも1食だと太る」は確認されていない
  • 「1食にすると食べる量が増えやすい」はありうる。行動の話として成立する
  • 1日1食で減る人は、単に1食では入りきらないぶん合計が減っている
  • 決めるべきは回数ではなく、1食あたりの上限

好きな回数でいい、というのが研究から出てくる答えです。

出典

この記事を書くために当たった研究です。同じ「出典あり」でも重みは違うので、どういう種類の研究かを1件ずつ添えました。 メタ分析やRCTは因果を言える設計、観察研究や数理モデルはそこまで言えません。

  1. 系統的レビューThe effects of eating frequency on changes in body composition and cardiometabolic health in adults: a systematic review with meta-analysis of randomized trials. International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity. 2023doi:10.1186/s12966-023-01532-z食事の回数を変えたランダム化試験を集めたメタ分析。**主要アウトカムは体重の変化**で、高頻度と低頻度の差は−0.62kg(95%信頼区間 −2.76〜1.52)と有意ではなかった。ただし著者らは**エビデンスの確実性を「非常に低い」**と評価しており、16試験のうち15試験がバイアスリスク高とされている。
  2. 系統的レビューEffects of meal frequency on weight loss and body composition: a meta-analysis. Nutrition Reviews. 2015;73(2):69-82doi:10.1093/nutrit/nuu017食事回数と体組成の関係を調べたメタ分析。回数が多いほうが有利という結果が一度は出たが、感度分析をすると1つの研究に引っ張られていたことが分かり、効果は確かなものではないとされている。
  3. RCTEffect of Alternate-Day Fasting on Weight Loss, Weight Maintenance, and Cardioprotection Among Metabolically Healthy Obese Adults: A Randomized Clinical Trial. JAMA Internal Medicine. 2017doi:10.1001/jamainternmed.2017.0936隔日断食と毎日のカロリー制限を1年比べた試験。体重の減り方に差はなかった。食べる日と食べない日を作る形でも、毎日均等に削る形でも、結果が変わらなかったことを示している。