筋トレと有酸素、どちらを先にやるべきか

結論

同じ日にやるなら、下半身の筋力については筋トレを先にするほうが有利という結果がある。筋肉の増え方では順番の差は確認されていない。効くのは順番より、有酸素の種類と量のほう。

同じ日に筋トレと有酸素をやるとき、順番を迷います。

結論を先に言うと、順番より、有酸素の種類と量のほうが影響が大きいという形になります。

順番を比べた研究

同じセッションの中で、どちらを先にやるかを比べた研究を集めたメタ分析があります。

見た項目 結果
下半身の動的な筋力 筋トレを先にするほうが有利
下半身の静的な筋力 差は出なかった
筋肉の増え方 差は出なかった

差が出たのは1つだけです。筋肉を増やす目的なら、順番はどちらでも構いません。

理屈も分かりやすくて、先にやったほうに体力が残っている、というだけの話です。重い重量を扱いたいなら、疲れる前にやったほうがいい。

順番より効いていたもの

同じ分野の別のメタ分析では、もっと大きい差が報告されています。

筋トレと有酸素を同時期にやると、筋トレだけの場合に比べて筋肉の増え方が下がります。効果量でいうとこうでした。

やったこと 筋肉の増え方(効果量)
筋トレのみ 1.23
両方 0.85
有酸素のみ 0.27

減ってはいますが、ゼロにはなっていません。 両方やった群でも、有酸素だけより大きく増えています。

種目で差が出ている

同じ解析で、興味深い結果が出ています。

ランニングと組み合わせた場合は筋肉の増え方も筋力も下がりましたが、自転車では同じ低下が見られませんでした。

持久系の運動の頻度と時間が長いほど影響が大きい、という関係も報告されています。

減量中は、この話の優先度が下がる

ここまでは「筋肉を最大限に増やしたい場合」の話です。

減量中の目的は落とさないことなので、順番の最適化で得られる差はさらに小さくなります。

それより効くのは、両方やる日が週に何回あるかのほうです。1日の順番を悩んで実施回数が減るなら、本末転倒になります。

代わりに、疲れる前にやりたいほうを先にする

決め方は単純です。

その日の目的 先にやるもの
重い重量を扱いたい 筋トレ
長く走りたい・距離を伸ばしたい 有酸素
どちらも軽め どちらでもいい

優先したいほうを、体力がある側に置く。 それだけで足ります。

有酸素を先にやった日に筋トレの重量が落ちたなら、次からは順番を入れ替える。自分の記録が答えになります。

では、どうするか

  1. 筋肉が目的なら、順番はどちらでもいい。差は確認されていません
  2. 重い重量を扱いたい日は、筋トレを先に置く。下半身の筋力では有利という結果が出ています
  3. 有酸素の量が多い週は、筋トレの記録を見る。落ちていれば有酸素を減らすか、自転車に替える
  4. 減量中は順番より、週の実施回数を優先する。消費は日々の活動量で決まります
  5. 迷う時間が長いなら、先にやりたいほうからやる。差はその程度です

まとめ

  • 順番を比べたメタ分析で差が出たのは、下半身の動的な筋力だけ
  • 筋肉の増え方では、順番による差は確認されていない
  • 有酸素を足すと筋肉の増え方は下がるが、ゼロにはならない
  • ランニングでは低下が出て、自転車では出なかった
  • 減量中は順番より、週に何回できたかのほうが効く

順番は好みで決めてかまいません。

出典

この記事を書くために当たった研究です。同じ「出典あり」でも重みは違うので、どういう種類の研究かを1件ずつ添えました。 メタ分析やRCTは因果を言える設計、観察研究や数理モデルはそこまで言えません。

  1. 系統的レビューThe Role of Intra-Session Exercise Sequence in the Interference Effect: A Systematic Review with Meta-Analysis. 2018doi:10.1007/s40279-017-0784-1同じセッション内で筋トレと持久系の運動をどちらから行うかを比べた研究を集めたメタ分析。下半身の動的な筋力については、筋トレを先に行う順番が有利だった。下半身の静的な筋力と筋肉の増え方については、どちらの順番が良いという結果は出なかった。
  2. 系統的レビューConcurrent training: a meta-analysis examining interference of aerobic and resistance exercises. Journal of Strength and Conditioning Research. 2012doi:10.1519/JSC.0b013e31823a3e2d筋トレと有酸素運動を同時期に行ったときの影響を調べたメタ分析。筋肉の増え方の効果量は、筋トレのみが1.23、有酸素のみが0.27、両方が0.85だった。ランニングと組み合わせた場合には筋肉の増え方と筋力の両方が下がったが、自転車では同じ低下は見られなかった。持久系の運動の頻度と時間が長いほど、影響が大きくなる関係も報告されている。